いままでは、屋根に求められる6つの基本性能と石州瓦の品質について説明してきました。ここからは屋根に求められる5つの二次的性能と石州瓦の性能です。
屋根の二次的性能には、断熱性能、防露性能、防音性能、発生音遮断性能、耐熱伸縮性能の5つがあります。
先の基本性能と違い、性能を表示する必要は今のところありませんが、これら二次的性能は、住まいの快適性や省エネ性を左右する大切なものばかりです。
住宅の省エネ・快適性能を表すものとして「Q値」があります。この「Q値」は、“熱損失係数”といって、室内外の温度差が1℃の時、家全体から1時間に床面積1平方メートルあたりに逃げ出す熱量のことを指します。もちろん小さければ小さいほど、熱が逃げにくいので居住性能がいいとされています。
Q=(QR+QW+QF+QV)/(延べ面積)
次世代省エネ基準では保温性能の指標として熱損失係数(Q値)を使用、この値は小さいほどロスが少ない
■「Q値」は、住まいの保温性能を示す目安の値。熱の逃げにくさを表しています。室内の温度が屋外よりも高い場合、熱エネルギーは住宅の壁や天井(屋根)、床、窓や玄関など、あらゆる場所から逃げていきます。
資料:「新省エネルギ一基準による住宅断熱の設計から施工まで」より
熱伝導比率表(単位 W/m・K)
※厚形スレート、石綿スレート、着色亜鉛鉄板は、表示単位をkcal/mh℃からW/m・kに換算したものです。
※上記データの一部は、「よくわかる瓦屋根設計」第4章総合品質三州試験データより出典
屋根は、夏の太陽光線が容赦なく降り注ぐ場所。まず屋根で太陽の熱線をどこまでくい止めるか。屋根材の種類によっては、お部屋の体感温度が1度や2度も違います。これって家庭の燃料コストにも大きく影響しますよね。石州瓦は屋根材の中でも、特に熱を遮断する力に優れ、夏涼しく冬暖かい住空間を創ります。
空気音遮断性能試験
1000(Hz)における透過損失
現代の暮らしの中で避けて通れない騒音問題。静かでやさしい時間が流れる住まいの空間、ぜひ欲しいですよね。屋根からの騒音、お困りの方も多いでしょう。特に屋根を叩く雨音、これは屋根材によって大きく違います。これだけは認識しておいてください。屋根の遮音性は「1.音を通しにくい材質 2.音を通しにくい形状 3.屋根の施工方法」によって決まります。石州瓦の遮音性は透過損失が28.0dB。
石州瓦の優位性が認められます。
音の透過損失って何?
ある周波数の音が例えば壁などを通過する際に、音が損失する程度を表す指標が透過損失。この数字が大きければ大きいほど遮音性能が優れていることになります。石州瓦の透過損失は、1000Hzの周波数の音を透過した時の試験値で28.0dB。石州瓦の優れた遮音性が認められます。