屋根下地の劣化を防ぎ、耐久性に優れた粘土瓦の特性を活かした、長期優良住宅にふさわしい屋根材のアピールを目指す。
共同研究は石川廣三東海大名誉教授を委員長に全日本瓦工事業連盟、全国陶器瓦工業組合連合会などで構成、石州瓦の(株)丸惣が研修施設を提供し行われました。
従来の屋根工法は引っかけ桟瓦工法(野地板に防水シートを張り、横桟木を通して瓦を釘止めする)。
これに対し通気工法は桟木を格子状に組み合わせて設置することで、棟部から軒先まで下地と瓦の間に通気層を確保、結露などによる下地の劣化や腐食を防ぐもの。さらに釘穴の腐食による雨漏り防止のため、釘をビスに換えて防水シートに穴を開けないよう工夫されたもの。
実証実験では粘土瓦以外に金属などの屋根材も対象に行われ、コスト試算も比較された。
石川委員長は『粘土瓦よりも先に下地が劣化し、耐久性に優れた瓦の良さが生かされないまま葺き替えなければならないケースがある』と問題点を指摘。
検証結果をまとめて標準仕様とするよう国に働きかける考えを示した。
石州瓦工業組合の佐々木賢一理事長は『長寿命の粘土瓦は本来、国が普及を進める長期優良住宅の概念にマッチしている。評価につなげたい』としている。
屋根通気工法の検証実験写真(島根県江津市 丸惣研修センター)