夏から秋の台風、冬の季節風と日本は毎年強風による建物の被害が多く発生します。屋根の飛散、屋根材の飛散も毎年起こっています。
屋根の基本性能2番目の項目耐風性能。平成13年、日本で初めての「耐風性能を示す基準風速=屋根が持つべき耐風性能基準」が決められました。
日本各地の屋根の基準風速がまとめられたのです。
ごらんの地図のように、日本各地は、最低で風速30m/S、最高で46m/Sの9段階の風速が示されました。例えば表中紫色の沖縄県の基準風速は46m/S。
これは沖縄の屋根は、風速46m/Sの強風でも飛散しない性能を持たなければいけないということです。
皆さんの地域はどうですか、地図を見てぜひ調べてください。
基準風速ってなに?
基準風速は2000年の建設省(現国土交通省)告示第1454号で定められたもので、地図のように30m/s〜46m/sの範囲で区分され、日本各地の行政単位ごとに定められています。
これは各地で観測された台風の最大風速(10分間の平均風速の最大値)をもとに50年に一度の大型台風を想定して定められたものです。
参考までに 基準風速と実際の台風の最大瞬間風速
2004年、広島を中心に瀬戸内海沿岸の中国、四国地方に甚大な被害をもたらした台風18号。この台風の最大瞬間風速は広島の60.2m/sでした。国土交通省が定めた広島の基準風速は32m/S。これでは瓦が飛んでしまう、と思われる方にお話します。100%イコールではありませんが、基準風速は、その数値の1.5〜1.8倍前後の最大瞬間風速に耐えることが出来る数値なのです。
※気象庁 災害時自然現象報告書 2004年第3号より抜粋
ご存じですか、屋根のガイドライン工法。
屋根の構造安全性に係わる「風圧力」と「地震荷重」を科学的に検証、台風や地震に強い屋根工事の方法を示したものが「ガイドライン工法」。全国の瓦屋さん(工事屋、瓦メーカー)と学識者、専門の研究機関(建築研究所)が集まって作成されました。石州瓦は、この屋根のガイドライン工法に基づいた実験により、日本最大の基準風速46m/s(沖縄県)を超える結果を得ています。
石州瓦で葺いた屋根の耐風性能は、果たして各地の基準風速をクリアする性能を持っているか。試験は二つの方法で行いました。 三菱重工業長崎研究所での風洞実験は、低層住宅に及ぼす風の圧力のメカニズムの解析のために。耐風圧力性能試験は、屋根の設計施工ガイドラインが示す試験方法で実際に施工した瓦を一定の力で上から引っ張りあげ、屋根の耐圧力のデータを求めるものです。
試験結果は、日本最高の基準風速46M/Sを大きくクリア、屋根の設計施工ガイドラインが示す耐風性能を有することになりました。
三菱重工業(株)
長崎研究所風洞実験設備
1992年石州瓦工業組合独自で実施した耐風 性能試験。屋根面および瓦表面に働く風圧力を計 測することで、風圧力のメカニズムを解析、風に強い瓦の形状開発や施 工方法に結びつける目的で実施されたものです。
島根県産業技術センター試験
屋根材の緊結等(瓦を屋根の下地に留め付けること)に必要な構造性能を確認するための標準試験。屋根のガイドラインが定める「標準工法」と「基準風速」に基づき実施されました。
石州瓦はなぜ、風に強いのか。石州瓦は台風銀座と言われる九州で、早くから普及してきた歴史を持っています。九州の瓦工事店さんの「風に飛ばない瓦が欲しい」という根強いニーズに対し、石州瓦メーカーは風に強い形と工夫のある製品開発を続けてきました。それが防災瓦という風と地震に飛ばない、ズレない瓦を産み出すことになります。
ごらんの図は、石州防災瓦のメカニズムを説明していますが、この他にも、様々な細かな工夫がなされているのが石州瓦なのです。
組み合わせ葺き![]() |
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【和形パターン1】 1.の部分が 2.によって 押さえられ重なり合う。 |
【和形パターン2】 1.の部分が 2.を押さえ、さらに3.の部分が4.を押さえ ダブルに重なり合わせる。 |
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【平板パターン1】 下の瓦の防災ラッチが上の瓦の防災ラッチを押さえ込む。 |
【平板パターン2】 下の瓦の突起①が上の瓦の受け部と噛み合い外れない。 |
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ごらんのように石州瓦は 瓦がガッチリ重なり合う組み合わせ構造。これが石州防災瓦と言われるゆえんです。 |
【平板パターン3】 1.の凸部分と2.の凹部分がガッチリと噛み合う。 |